対象別に分化する住宅型有料老人ホームとそのサービスの質について

対象別に分化する住宅型有料老人ホームとそのサービスの質について

現在、住宅型有料老人ホームは増加を続けており、その中で、入居対象者を確保するための争奪戦が始まっています。

 

従来の介護付き有料老人ホームの場合は、入居希望者からの入居相談を受け、そこから施設紹介や、具体的な生活プログラムの説明などに入る、いわゆる「待ち」型の経営が普通でした。

 

これは将来の入居対象者として、健康な高齢者に対して、介護を専門とする施設から勧誘をかけるのも不自然であることが影響しているでしょう。

 

これに対し、住宅型有料老人ホームの場合は、住宅型であることを切り口に、現在住んでいる住宅の延長として紹介しやすいという側面があります。高齢者を介護の対象として扱うのでない所がポイントです。

 

従来の介護付き老人ホームのような画一的な施設イメージではなく、新しい生活空間として、住宅型有料老人ホームというものを紹介できるという強みがあります。結果、従来の施設との差別化に特化した結果、多種多様な形態のサービスが生まれることになりました。

 

こうした動きは世間一般のホテルや旅館などの宿泊施設と同じ経済論理の中で展開され、ダンピング競争やコストダウン、宣伝活動の競争を激化させる原因となっています。

 

コスト競争が激化すると、どうしても品質の低下を招きがちです。ある程度の利益を見込んで商売をしている事業者にとって、何かしらのトラブルが発生した場合は、利益を削るかサービスを削るかの二者択一となります。そうなると、法律の許す範囲で、サービス利用者にも負担を強いる可能性があります。

 

こうしたことから設立当初に比べ、時系列に伴いサービスの質が低下している事業体もあります。

 

住宅型有料老人ホーム業界は、今や、利用者のために、こうしたサービスの質の上下を、時間軸で管理する基準や規格などのガイドラインが必要になったと言えるでしょう。

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