厳しい施設基準のない住宅型有料老人ホーム設立の背景

厳しい施設基準のない住宅型有料老人ホーム設立の背景

住宅型有料老人ホームには、介護付き有料老人ホームにあるような施設基準はありません。このため、比較的自由度の高いホーム運営が可能とされています。
これには、深刻化する高齢化社会の受け皿確保という背景があるためです。

 

住宅型有料老人ホームの中には、当初、高齢者向け賃貸マンションとしてスタートした施設も多いです。このため、こうした施設に対し、介護保険による援助を行い、既に地域に存在する高齢者用のコミュニティをバックアップするという狙いが含まれています。
そうした背景から、厳しい施設基準を設けず、既存施設の安定運営を手助けしています。

 

一方で、こうした住宅型有料老人ホームは、都道府県など地方自治体による設置・運営ではないため、運営内容には不透明な部分も多いです。
2006年4月より、老人10名以上を擁することを条件とする人員基準が撤廃され、1名以上に規制緩和されていることから、新規参入も増えています。厳格な施設基準が存在しないことも、新規参入数の増加に拍車をかけています。

 

こうしたことから現在は、悪質な事業者による質の低いサービスの提供が問題となりつつあります。

 

多くの施設は、基準が無い中で、介護人員や看護人員を配置しています。しかし、中には、こうした人員を配置せず、人件費を低く抑えることで、競争力を高めている事業者も存在します。宣伝や勧誘の上では質の高いサービスを掲げていながら、実際に住んでみると不便なことが多く、結果的に入居のための初期費用を無駄遣いしてしまう高齢者もいます。

 

今後は、サービス内容の表示基準を実態に合わせた内容にし、利用者が損をすることの無いようなしくみづくりが重要になるでしょう。

関連ページ

費用次第、というわけでもない住宅型有料老人ホーム
多くの住宅型有料老人ホームは入居の際にまとまった初期費用が必要となります。しかし、こうした費用に対し、老後のための蓄えを全てつぎ込んでしまうのは危険です。
住宅型老人ホームにおける認知症の扱いについて
住宅型老人ホームにおける認知症の扱いは、基本的に入居を受け付けない施設が多いですが、軽度の認知症であれば問題ないと判断する施設もあります。
入居条件よりも設備基準を明確にすべき住宅型有料老人ホームの今後
現状自由度の高い住宅型有料老人ホームの設備に基準を設ける必要があるという声も識者の間からは挙がっています。
対象別に分化する住宅型有料老人ホームとそのサービスの質について
住宅型有料老人ホーム業界は、利用者のために、サービスの質の上下を、時間軸で管理する基準や規格などのガイドラインが必要
居宅形式で介護を受ける住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、基本的には入居者各個人の居宅という位置付けで、そこに各個人が必要に応じて外部の介護サービス会社と契約を結ぶというしくみになっています。
職員配置基準のない住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームには基本的に職員の配置基準といったものがありません。これは、あくまでも住宅型であることがこの施設の主体であるためです。
自費によるショートステイを受け付ける住宅型有料老人ホーム
設置件数が多く、事業の拡張を続ける住宅型有料老人ホームですが、そうした新しい事業形態の中に、自費でのショートステイを受け付ける施設が増えています。
訪問介護費用の増加やその他リスクもある住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームを利用する際、いろいろ自分好みの介護サービスを選べるというメリットがあるのですが、裏返すと、状況や環境次第では、適切なサービスを受けられないというリスクがあります。
認可を受けやすい住宅型有料老人ホームの設立背景と今後について
住宅型有料老人ホームは、住宅型とあるように、既存の住宅の延長線上で建設することができ、初期費用を大きく抑えることができます。
需要が育んだ住宅型有料老人ホーム市場
需要の高まりに伴い、施設数が急増している住宅型有料老人ホームですが、その内容は、一言で述べることができないほど多様化しています。