入居条件よりも設備基準を明確にすべき住宅型有料老人ホームの今後

入居条件よりも設備基準を明確にすべき住宅型有料老人ホームの今後

住宅型有料老人ホームには入居条件として要介護が高くないことを掲げている施設があります。この入居条件は法令によるものではなく、施設個別の条件です。

 

こうした入居条件を制定している背景としては、住宅型有料老人ホームが、介護付き有料老人ホームの様に、常駐の介護スタッフを置いていないことが挙げられます。

 

住宅型有料老人ホームは、基本的にホーム自体が入居者のケアをすることはなく、入居者が外部のサービス会社などと個別の契約を結んだ上でサービスを受ける形になっています。

 

こうしたことから、そうした外部サービス対応していない時間帯で、介護に関連するトラブルが発生した際に対応がとれず、事故や事件に発展するのを敬遠している施設が多いと言えるでしょう。

 

ただ、最近は、住宅型有料老人ホームの中でも、中程度の要介護高齢者を擁する施設が増えつつあります。背景としては、今まで要介護度が軽度であった高齢者が、年をとると共に介護度が上昇し、結果的に中程度までを容認するようになったというケースが多いです。

 

入居条件として要介護度が低いことを定めていても、杓子定規の対応で退去を勧めたりした場合は、施設の評判が下がり、新規顧客の獲得に支障が出るため、施設側の努力で対応しているという状況です。

 

しかし、こうした対応には限界があります。入浴や排泄などは大きな労力が必要となり、また、外部サービスを利用しても、浴槽やトイレなどの設備が狭かったりすると、対応ができなくなります。

 

多くの場合はこの時点で退去を勧めることになりますが、中には、設備を改修して対応している事業者も存在します。この場合は、将来的な需要を見越した投資が必要となり、経営者にとってはひとつの賭けとなります。

 

こうした前向きな事業者の経営破綻を避けるためにも、現状自由度の高い住宅型有料老人ホームの設備に基準を設ける必要があるという声も識者の間からは挙がっています。

 

しかし、現状、既に多くの施設が運営されており、こうした運営中の施設に対して、何らかの補助をするべきなのか、市場の論理に合わせてあまり干渉しないべきなのか、意見が分かれるところとなっています。

 

ただ、利用する高齢者の側から見た場合、いずれにしても、要介護度が高まった際に、快適に過ごせる施設が必要であることは間違いないでしょう。

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