日本は医師が不足しているのか?

日本は医師が不足しているのか?

日本はベッドが空いてないから入院ができないとか、地方などでは産婦人科や小児科が少ないと言われています。日本には医者の数が少ないのでしょうか?

 

 

 

OECD Health Data 2006に医療提供体制の2004年の比較が出ていますが、それを見るとわかりますが、日本の医師の数や看護職員の数は欧米の数と較べて極めて少ないわけではないのです。

 

 

 

 

国名 日本  ドイツ イギリス アメリカ
平均在院日数36.310.47.26.5
千人当り病床数14.28.44.03.3
病床百床数当り医師数14.339.557.073.3
千人当り医師数2.03.42.32.4
病床百床当り看護職員数63.2112.5226.8233.0

(2002)

千人当り看護職員数9.09.79.27.9

(2002)

資料:OECD Health Data 2006

 

医師はドイツに較べれば少ないけれど、イギリスやアメリカとはほとんど変わらないし、看護職員の数はまったく遜色がありません。けれども違うのは平均在院日数が36.3日で、10.4日のドイツに較べても3倍以上になり、6.5日のアメリカとはおよそ6倍も差があるのです。

 

ですから、医師の数も看護職員数も病床百床当りで較べれば、それだけ日本の数は圧倒的に少ないのです。これは、日本の医師などの数が少ないのではなくて、あまりに入院が長すぎることが問題なのです。

 

ですから、せっかくいる医師たちが入院患者に手厚い看護ができず、院内感染などが起こりやすく、医療事故も起きやすいという困った状態なわけです。
ですから医療体制を変えて、急性期の病床はいいとしても、一般病床などは機能を明確に分けて、病院の病床でなく地域の医院やリハビリの施設などを使うようにすれば、現在の問題がかなり解消され、同時に医療費の高騰を抑えることが可能なのです。

 

現在、日本ではレセプト(診療報酬請求明細書)がオンライン化を進められていて、現在(2010年4月)には8割以上、そして2011年4月にはすべてのレセプトがオンライン化されることになっています。
これで、医療情報が収集され、データに基づいた分析と評価をして、各都道府県ごとに、あるいは医療圏ごとに医療体制をどうするかを出して、地域住民にわかりやす説明することを期待しています。

 

これで、医師や看護職員が急性期のことは今以上に手厚く看護して、同時にリハビリ回復期の患者は、地域の力を借りてより暖かさのある看護を提供できるようにあることを期待しています。

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