さまざまな障害種類を包みこむ特別養護老人ホーム

さまざまな障害種類を包みこむ特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームの入居者は、そのほとんどが重度の障害を抱えています。障害種類は大別して身体的障害と精神的障害とに分けられます。このため、精神的には健全でありながらも、精神障害をもった高齢者と共同生活をしたりすることになります。

 

現状の特別養護老人ホームはこのように、個々の障害種類によって細分化された施設というわけではなく、要介護度が重いということがひとつのポイントになっています。

 

要介護度の判定については、障害者手帳に記載されるような障害種類がひとつの判断基準となります。そこから特別養護老人ホームへの入所が必要かどうかの審査が行われ、審査結果に応じて施設入所への手続きへと進みます。

 

しかしながら、実際には同じ身体障害というくくりであっても、手の障害なのか、足の障害なのか、感覚器官の障害なのか、本来は幾通りにも分かれるべき内容です。ただ、実際は、経済的にも地理的にもそうした細かい対応をすることは不可能に近く、入居者への適応性を高める過程で、どうしても集約的な施設になることになります。

 

この場合、入居者個々の障害状況に完全に適合した介護を提供することは難しいです。また、異なる障害を持つ多数の高齢者との同居を強いられることになり、必然的に入居者の精神的ストレスは大きなものとなります。

 

重度の介護を必要とする高齢者を支える特別養護老人ホームですが、高齢化社会が進んだ今、高齢者の多様化という問題の最前線に立っていると言ってよいでしょう。

 

特別養護老人ホームは、言わば介護の最終形態であり、多くの課題を抱えた施設形態であると言えます。ただ逆に、この課題の中にこそ、今後の高齢化社会を豊かにするヒントが隠されているとも言えそうです。

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