介護付有料老人ホームと介護保険料に見られる法改正の影響について

介護付有料老人ホームと介護保険料に見られる法改正の影響について

2006年4月の法改正により、介護付き有料老人ホーム認可の規制緩和が実施されました。具体的な内容としては、従来は介護付き有料老人ホームが常時10名以上の被介護者を有することが認可の条件であったのに対し、法改正後は事実上その規制が撤廃され、被介護者が1名でも認可されるようになりました。

 

これに伴い、介護付き有料老人ホームの設置件数は増加の一途にあり、その中である問題が今まで以上に深刻化しています。

 

社会保障制度の根幹を揺るがしかねない最も重要な問題として取り上げられているそれが、介護報酬の架空請求、水増し請求問題です。民間の介護施設の場合、被保険者の介護保険料をベースに介護報酬を施設スタッフなどに支払っていますが、国や各種自治体が介護一時金や介護年金といった形で、その介護保険料の一部を負担しています。これは2000年4月から施行された日本の社会保険制度の1つです。

 

このように介護保険料を国や自治体が事実上負担することの意義としては、来るべき高齢化社会に向けて、公営施設だけではまかないきれない社会保障体制を強化する意味合いがありますが、実態としては、営利目的の業者の参入を許してしまっていることにつながっています。

 

また、架空請求や水増し請求といった不正は、営利目的でない場合でも、不況や物価の高騰などの社会環境の変化によって、まさにその場で高齢者を支えている業者が、施設維持のためにやむなく手を出すケースが多いと言えるでしょう。

 

こうした介護報酬の架空請求や水増し請求の合計金額は、2000年の施行開始から2009年までで、わかっているたけでも98億円に上ります。また、そのうちの10億円が回収できていない状況です。

 

行政側としては悪質なケースとやむを得ない場合との見分けが付けづらく、非常に手間のかかる問題として、他の行政サービスへの人員配分にも影響を与えている内容となっています。こうしたところに社会情勢の変化とそれに伴う法改正の難しさがある言えるでしょう。

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