介護付き低額老人ホーム に対する悲観的観測

介護付き低額老人ホーム に対する悲観的観測

介護付き低額老人ホームの増加が何故問題なのでしょうか?団塊の世代(主に1947年から1949年の第一次ベビーブームに生まれた世代)の定年を迎え、少子高齢化社会が本格化した日本。人口分布が逆ピラミッド型になったことで、若い世代が家庭で複数の高齢者の老後を支えるというのは、事実上成り立たない時代になったと言ってよいでしょう。

 

また、いままでの年金システムの背景であった高度経済成長と人口増加が見込めない現在、質の高い介護サービスを受けられる高齢者はごくわずかとなり、大半の高齢者は安価な老人ホームに頼らざるを得ないでしょう。そのようなトレンドの中で、この現状をさらに加速させているのが、介護付き低額老人ホームの増加です。

 

ここ数年、団塊の世代特需の獲得を目指し、本業とはまったく関連のない企業や団体が、フランチャイズとコストダウンのノウハウを投入して、介護付き低額老人ホーム市場に参入しています。これらの企業や団体は実質的に利益を出しており、その利益やそこから得られる名声を経営者が享受することが最終目的と言えるでしょう。

 

この時点では、ユーザーとなる高齢者にもメリットはあります。数多くの介護付き低額老人ホームの中から、自分にとって合ったものを選ぶことができます。多くの参入企業や団体の経営者は社会的な奉仕活動の一端を担っていると言ってよいでしょう。

 

ただし、これらはすべてが上手くいっている場合の話です。介護付き低額老人ホームの多くは、道徳的な面からも、競争力維持の面からも、サービスの質を落とさないよう努力するでしょう。従業員もそのために努力するかもしれません。

 

しかし、飽和状態に達した介護付き低額老人ホームの間で、価格競争が起こったとしたらどうでしょう?近隣で質を落とさず努力していた老人ホームが破綻に追い込まれ、一方で、品質が低いが価格も安いという後発の老人ホームが盛況になっているという状況下では、よほどの質的アドバンテージがない限りは、コストダウン競争に巻き込まれてしまうことでしょう。

 

林立する介護付き低額老人ホームがダンピング競争を掛け合い、本質である介護サービスの質を見失ったころには、そういう状況が当たり前の社会になってしまうのではないでしょうか?

 

100円ショップやコンビニが当たり前になった一方で、昔ながらの老舗がどんどんなくなっている日本の社会では、同じことが老人ホーム業界でも起こると考えられます。

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