介護付き老人ホームと公的評価

介護付き老人ホームと公的評価

ここでは老人ホームを選ぶにあたり、どのような選び方があるかについて考えてみたいと思います。

 

まず、老人ホーム選定の際に気になるのが、介護の質や料金といったところではないでしょうか。学校と同じように老人ホームにも公的な施設と、それぞれ特色のある私営の施設とがあります。

 

私営の施設の場合は、いろいろな宣伝もされていたり、介護サービスの内容や料金プランなどについても比較的情報を得やすくなっています。料金に対するサービスの充実ぶりをそれぞれ比較検討することにより、自分の好みに合わせて比較的高い自由度の中で選定ができると言ってよいでしょう。
ただ、あくまでも介護者側の情報に頼ることになるので、十分な吟味が必要になるでしょう。

 

これに対し、公的な施設についての情報入手経路は地方行政機関を通じたものか、クチコミによるものがメインとなるでしょう。とくに地方行政機関の案内の場合は、実際どのような施設があるのかわかりにくくなっているのが実情ではないでしょうか。

 

反面、クチコミの場合は主観による評価が基本で、元となる情報量が少ない分、クチコミを記述した人の主観に引っ張られてしまう可能性もあります。

 

また、公的施設に入る方は、あらかじめ老人ホームに入る予定ではなく、健康上の理由や家族環境の変化などによって初めて考えはじめるといったケースが多いのではないでしょうか。そうした場合、十分な検討時間を得られず、本人や家族が納得できない状態での入所ということも少なくないでしょう。

 

こうした中で、現在、公的機関による第三者評価について注目が集まっています。平成9年、厚生省(現 厚生労働省)において検討が始まった社会福祉基礎構造改革において、その理念を具体化する仕組みの一つとして、公的な第三者評価の必要性が言及された皮切りに、平成12年6月に施行された社会福祉法第78条の中では、福祉サービスの質の向上のための措置等に関して次のように規定されました。

 

第78条

 

1 社会福祉事業の経営者は、自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、常に福祉サービスを受ける者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならない。

 

2 国は、社会福祉事業の経営者が行う福祉サービスの質の向上のための措置を援助するために、福祉サービスの質の公正かつ適切な評価の実施に資するための措置を講ずるよう努めなければならない。

 

こうした法整備の流れを追い風に、現在では第三者評価は浸透しつつあります。

 

しかし、その一方で、第三者評価における関連団体である日本老人福祉財団が、高齢者の老人ホームへの入居金の受け取りをめぐり、2004年から2006年までの財務内容について、東京国税局から37億円の申告漏れを指摘されたりもしています。

 

第三者機関の評価に頼るしかない高齢者やその周囲の家族にとっては、財務の透明性ももちろんですが、評価内容の充実度、信頼性が気になるところです。

 

そういった意味でこれからの老人ホーム選定は、こうした第三者機関の審査内容や、調査能力自体の良否を吟味する段階に来ていると言えるでしょう。

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